ブラック企業の実例(大手住宅メーカー)

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ブラック企業の実例
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大手だと思って安心していた

AさんはWEB試験、合説、個別面談、筆記試験を経て9月に内定を獲得、他の大手も選考は進んでいたが、断ってここに就職することを決めた。有名な大手なのが決め手だった

労働条件について聞いたら落ちると思っていた

この会社の労働条件についてAさんは就活中も気になっていたが、積極的には聞けなかった。なぜならそんなことを聞いたら面接に落ちると思っていたからだ。

求人に書いてあったことは

・勤務時間9時~18時
・時間外手当(技術職・地域勤務職)
・業績手当(営業職)
と書いてあった。そのまま受け取れば営業職には時間外手当がつかず、業績手当がつくことになる。普通労働者には残業代が払われなければ違法だが、なぜ営業に付かないのかは説明がなかった。
でもAさんは年収やボーナス以外の情報をあまり気にしていなかった。

契約段階で衝撃の事実

「営業職には残業代が出ない」と契約段階で総務に言われた。受け取った就業条件通知書には「事業場外みなし労働時間制」と書かれていた。他部署と違う勤務体系の代わりに業績手当がつくらしい、ちなみにこういった説明は就職活動中全く知るチャンスがなかった。でも「営業はこういう契約だ」「世の中の営業は全部そうなんだ」と教えられ素直にAさんは納得した。大企業が違法行為をするなんて思っていなかったからだ

ブラックにありがちな洗脳研修

3か月の間に5連泊研修が計5回行われた。1日目は早朝から始まるので前泊必須、でも前泊日は無給だった。
勤務時間9時~18時のはずが早朝から早くて23時、遅いと2時、3時。残業代も出ない
・社訓を覚える
・挨拶訓練
・マナー講座
・自社商品を学習し、プレゼン
・プレゼンのため深夜まで準備作業
・上記学習内容のテスト
成績がわるいと全員の前で叱責され、そして全員に謝罪させられる。テストの下位10人が選ばれるので、毎回誰かが謝罪させられる
だがAさんは就職したのを公開しつつも、「研修はあえて厳しくしている」と自分に言い聞かせ耐えた

最後のアメで洗脳研修フィニッシュ

三か月の研修が終わって部長の「よく乗り越えた」というスピーチを聞いたときに、Aさんは感動した。この期間中新人はバンバンやめていた。

本採用からの追加洗脳研修→権利意識がなくなる

自衛隊の駐屯地で研修が行われた。自衛隊と同じ格好をし、行進や敬礼、隊列、声出し、筋トレ、ランニングなどをやらされた。移動は全速力で風呂と部屋の移動も全速力だから風呂入ってもまた汗をかいた。起床は5時半で10分で着替えて点呼しなければいけなかった。
Aさんは風邪をひいていて、声も出せるような状態じゃなかったが、出ないなら欠勤扱いといわれ、仕方なく参加した。しかし2日後に動けないほど症状が悪化し、リタイア、欠勤扱いにされた。膝の悪い同期は歩けなくなって救急車を呼び、足を引きずる後遺症が残った。ほかにも3~4人がケガや病気でリタイア
夜は20時まで勉させられ、もちろん残業代はなし、Aさんの頭の中から残業という概念は消えた。

いよいよ長時間労働がはじまる

1日1000枚のチラシ配りや、500件の飛び込み営業など厳しいノルマが設定され、達成しないと社内で圧迫を受けた。友人や家族への営業も強いられた。
勤務時間は8時から23時くらいで、18時以降の残業は証拠隠滅のためか、パソコンの電源を落とすルールになっていた。
残業時間は月80時間を超え(過労死ライン) 休憩は一日に多くても30分(本来は1時間必要)、上司は「2二日間寝なくても食べなくても大丈夫」といわれた。Aさんは手足がしびれるようになり、脱水症状で病衣円に運ばれたことも

その時の労働条件

・基本給約20万円
・手当約三万
残業代はなく、有給休暇はとってはいけないと説明されていた

怖くてやめられない

3年以内に辞めると転職で不利になるのではないかという思いと、会社への恐怖心があった。なんか言ったら逆に訴えられるのではないかと考えた。

知人のアドバイスでやめようと考えたが、、

知人の結婚式で現状を話したら今すぐ辞めたほうがいいというアドバイスを受けた、それで気持ちが大きく揺らいだが結局Aさんは「適応障害」と「うつ病」と診断されるまで、働き続けようやく退職した。

その後

Aさんは労働審判制度で会社に金銭を支払わせ和解。もっと求人情報を吟味しておけばよかったと後悔している。

もっと詳しく知りたい人は

今野晴貴の求人詐欺という書籍を読んでください。この事例の詳細や他の事例、求人詐欺への対処方法が書いてあります。

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