よくあるトラブルQ&A

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パワハラ

Q.職場の上司からミスを激しく叱責されたり、指導と称して他の社員の前で罵倒されたりしています。 

A.いじめやパワハラは人格権侵害の不法行為です。こうした行為に対しては、加害者だけではなく、使用者も安全配慮義務不履行により責任が問われる場合もあります(労契法第5条)。
さらに、改正労働施策総合推進法(旧雇用対策法、通称「パワハラ防止法」)により、事業主はパワハラ防止のために、雇用管理上必要な措置を講じなければなりません。(公布日の2019年6月5日以降、大企業については 2020年6月頃まで、中小企業については2022年6月頃 までの政令で定める日までは努力義務)。
できる限り詳しく記録し、できれば音声の記録を確保しておくことが重要です。

一方的な労働条件の引き下げ

Q.新型コロナウイルスの影響による会社の経営難を理由に賃金を引き下げると通告されました。

A.「労働条件の引き下げには応じられません」とはっきり伝えてください。労働条件は、労働者と使用者の合意に基づき決定されるのが原則です。(労働契約法3条1項)労働条件の変更も、労使の合意に基づいて行われるのが原則です。(同8条)労働者の同意を得ることなく、賃金などの労働条件を切り下げることはできません。

解雇

Q.会社の経営難を理由に解雇すると言われました。

A.「辞めるつもりはありません」とはっきり伝えてください。解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効です。(労契法第16条) 

 会社の経営が厳しいことを理由とした人員整理に伴う解雇の場合でも、労働者には理由のない解雇ですから、整理解雇の4要件(①人員削減の必要性、②解雇を回避義務の履行、③被解雇者選定の合理性、④手続の妥当性)を満たしていなければなりません。

雇い止め

Q.有期雇用契約で働いていますが、経営難を理由に「雇い止め」にすると言われました。

A.使用者は「やむを得ない事由」がある場合でなければ、期間途中の解雇はできません(労契法第17条)。「やむを得ない事由」は通常の解雇事由よりも厳しく判断され、不当な解雇の場合、使用者は少なくとも期間満了までの支払い義務を負います(民法第536条第2項)。期間途中の解雇を受けざるをえない場合は、期間満了までの賃金を請求しましょう。

期間満了による雇止めを宣告された人も諦めないでください。有期契約は期間が満了すれば契約が終了するものですが、更新を繰り返して無期契約と実質的に異ならない場合や反復更新の実態、引き続き雇用されると期待させる使用者の言動、契約書の更新に関する記載(更新の有無・内容)など、様々な事情をもとに合理的な期待が認められる場合は、使用者は雇止めができません。期間満了ではあっても雇止めを回避することができます。

有給休暇

Q.「うちはパートやアルバイトには有給休暇を与える制度がない」と言われました。  

A.パートやアルバイトも、勤務日数に応じて年休を取れます。

年次有給休暇(以下「年休」)は、①継続勤務(雇入れの日から6カ月間、以後 1年間)と②出勤率(全労働日の8割以上の出勤)の2つの要件を満たせば、最低10日が付与されます。パートやアルバイトも、所定労働時間・日数に応じて比例付与されます(労基法第39条)。積極的に有給休暇を取得しましょう。

60歳定年後の継続雇用

Q.60歳定年後の継続雇用の希望を出しましたが、「パフォーマンスが低い」 との理由で拒否されました。

A.高齢者雇用安定法が改正され、現在では継続雇用制度は、希望者全員を65歳まで雇用することが義務づけられました。 会社が一方的に基準を決めて対象外とすることは認められなくなりました。

高年齢者雇用安定法は、公的年金支給開始年齢の引き上げも踏まえて、65歳までの 雇用確保措置を講ずることを事業主に義務づけています。その内容は、①定年の引き上げ、 ②継続雇用制度の導入、③定年の廃止のいずれかです。(高年法第9条第1項) ②の 継続雇用制度とは、希望者を定年退職後も引き続き雇用する制度です。

育児・介護休業取得に伴う不利益取り扱い

Q.育児休業を申請しようとしたら、会社から 「戻ってきてもあなたのポジションはない、パートタイム労働者であれば復帰も可能」 と言われました

A.育児・介護休業法では、育児・介護休業の申出をしたこと及び取得したことを 理由として、解雇その他「不利益な取扱い」は禁止されています。(第10条、第16条)  不利益な取扱いには、労働契約内容の変更の強要なども含まれます。

よく間違えている会社が多いのですが、育児・介護休業の期間は、年休の発生要件である出勤率の算定に当たっては、出勤 したものとして取り扱われます。(労基法第39条第8項) ご注意ください。

求人票・求人広告と労働条件が違っていた

Q.求人票・求人広告に記載されていた労働条件と 実際の労働条件が違っていました。

A.求人票・求人広告に記載された労働条件は直ちに労働契約の内容にはなりません。 求人票・求人広告の内容だけでなく、採用時の労働条件通知書の確認が必要となります。

 公共職業安定所及び職業紹介事業者、労働者の募集を行う者および募集受託者、求 人者等に対して、労働条件の明示が義務づけられています。求人票・求人広告に記載さ れた労働条件は、使用者が労働条件を示して労働契約の申込みを誘因するものであり、 直ちに労働契約の内容になるものではありません。

しかし、裁判例より労働契約締結の際に 労働条件が明示されていなければ、当事者間においてそれと異なる合意をするなど特段の事情がない限り、求人票・求人広告に記載された労働条件が労働契約の内容となると解されています。(職安法第5条の3)

退職できない(期間の定めのない労働者)

Q.1か月後の退職を申し出ても、3か月後の退職しか認めてくれません。さらに退職日まで有給休暇の取得も認めてくれません。

A1.労働者には「退職の自由」があります。退職を希望する労働者は自由に退 職することができ、退職の意思表示から2週間が経過すると雇用関係が終了(=退職)します。(民法第627条第1項)

注意点があります。退職の意思表示は「退職願」ではなく「退職届」として書面で提出して下さい。

「退職願」:退職に使用者の承諾が必要と解釈される可能性があります。
「退職届」:使用者の承諾は不要となります。「退職届」の提出から2週間が経過すると雇用 関係が終了(=退職)となります。

さらに有給休暇を取得し再就職活動に利用することもできます。「退職届兼有給休暇取得届」として同時に申請するようにしましょう。

業務上のミスに対する損害賠償責任

Q.飲食店でバイトしていますが、皿やグラスを割るたびに弁償代を請求されています。

 A.通常起こりうる過失によって生じた損害については、 労働者がその全額を賠償することはありません。会社は労働者の働きによって利益を上げており、業 務上のリスクを労働者にすべて負担させることは不公平であり、労働者への責任追及が制限されるケースは多いのです。

在宅勤務の費用

Q.在宅勤務を命じられましたが、電話やインターネット通信料は自分持ちと言われました。

A.在宅勤務の費用負担に関しましては、特に法的定めはなされていません。しかしながら、業務遂行に直接関わる費用になりますので、かかった費用は会社が負担するのは当然の措置といえます。例えば、通勤費や定期健康診断等の費用を通常会社が負担しているのと同様といえます。

バイトを辞めたいのに後任探すまでダメと言われた

アルバイトを始めた新大学生に多い相談だけど、辞めることは、原則として労働者の自由であり、使用者の承諾は不要です。 期間の定めのない労働契約の場合、民法の定めでは、「辞めたい」という意思表示をしてから2週間が経てば、退職することができます(民法627条)。

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